2016年6月5日日曜日

ピート重量の実際

今、全国各地で弊社製品を使った根域改良が拡大しています。
過去から国内農業を鑑みると、ピートを使った土壌改良例は珍しくなく、様々な事例が報告されます。
しかし、そのほとんどは正確に土壌診断を行い、栽培技術と環境を考慮したうえでレシピがコントロールされているのではなく、施用方法もレシピも供給側からの一方通行的な事例を多く聞きます。弊社が紹介を受けて伺う産地のほとんどは、ピートの認識違いや使用方法の誤差、ピートそのものの選択間違いから苦労されていました。また、それらの苦労をご自身の技術不足を原因にして納得されていることがあります。
何度もこのブログで申し上げていますが、ピートを用いた根域改良は、先ずはピートの目利きになって欲しいと願います。土質も重要ですが、どの栽培ステージでどんな効果を出したいかでも選択肢が発生します。またヤシやバーク、もみ殻、堆肥による場合も、その正確な知識がとても重要です。

一方、弊社製品のデメリットは? と聞くと99%の方が「重い」と回答されます。
重さの原因は、弊社の100年超のノウハウで結論づけた「約55%の水分」を保っているからです。
弊社は、ピートの水分率をデータ的にも技術的にも、植物に持続的に高性能な物理性を提供するための”条件”としている以上、これらを北米産のように軽量化することはありません。企業利益優先なら物流など多くの面で軽量化にメリットがあります。採掘都合を言えば、ピートを乾かした方が採取効率が格段に上がります。
しかし、弊社はそのポリシーを持っていません。何のために存在する企業なのかを貫きます。メーカーとしてあえて非効率な仕事を選ぶことで、その先のユーザーが最大効果を得るならば、それに迷いはありません。
そして、この重さ(水分率が高い)は、作業上でも功を奏すことがあります。
・袋のまま畑に持ち込め、開封後は加水せず直ぐに使用できる。
・袋の胴まわりをカッターで切るだけ(刃先1㎝程で結構)で、切目に指を掛ければ、崩れることなくきれいに真っ二つに割れる。⇒もれなく半分の重量に!
・塊は踵を蹴る程度で、物理性を壊さず簡単に解れる。
・作土から水分を奪うことがない。(作土の方が低水分率の場合が多い)
・ポット育苗などへの転用がし易い。
200Lで約40㎏、100Lで約20㎏。
ピートの”重さ”は、ユーザー皆様と栽培植物に対する責任の重さなのです。