2016年8月28日日曜日

ビックベールと充填量

リオデジャネイロでのオリンピックが閉幕し、いよいよ秋に向かう空気です。リオのカラーが弊社のカラーと重なり、思い出深いオリンピックになりました。
さて、今回はビックベールと充填量についてお話しします。
弊社は日本国に対して200L圧縮袋を主体に様々なパッケージを提案していますが、その中で最大容量をほこるのがビックベールです。
ビックベールは1パレット1袋の圧縮です。標準的に200L袋は1段に5個ずつ5段階に積み重ねた1パレット25個ですが、ビックベールはそれとほぼ同じ大きさで、画像でその大きさのイメージができるかと思います。(伸長165㎝の日本人)
レシピにより、その容量は5.0~6.5㎥(5000L~6500L)とバリエーションがあります。パレットは同一ですが、ピートおよび添加物の種類により比重が異なるためです。
フラクションやバルティカなどの原料系では5.0~6.5㎥、TSシリーズに代表される完成培地系は5.5~5.8㎥、ベースサブストレート系は主に5.8㎥です。
もちろん、内容量はヨーロッパノーマルEN12580に準拠しています。
パレットに載った1トン程のビックベールを取り扱うことができるとしたら、皆様の生産コスト削減のひとつの選択肢に入れて下さい。100L、200L袋に比較して明らかにコスト・アドバンテージがあります。
次に充填量についてです。
培地を手にされるお客様の中に
「開封して復元したらどれだけ増えるの?」
「この袋から何ポットとれるの?」
という質問を頂くことがあります。
答えは明白です。
「開封しても増えません。厳格な基準通りの容量です」
「EN12580のデータに基づく値があります。参考にしてください。」
  9㎝φポット 2820ポット/1000L
10㎝φポット 2060ポット/1000L
11㎝φポット 1440ポット/1000L
12㎝φポット 1150ポット/1000L
13㎝φポット   870ポット/1000L
いよいよ9月。2017年に向けた動きのはじまる季節です。
ご用命下さい。





2016年6月5日日曜日

ピート重量の実際

今、全国各地で弊社製品を使った根域改良が拡大しています。
過去から国内農業を鑑みると、ピートを使った土壌改良例は珍しくなく、様々な事例が報告されます。
しかし、そのほとんどは正確に土壌診断を行い、栽培技術と環境を考慮したうえでレシピがコントロールされているのではなく、施用方法もレシピも供給側からの一方通行的な事例を多く聞きます。弊社が紹介を受けて伺う産地のほとんどは、ピートの認識違いや使用方法の誤差、ピートそのものの選択間違いから苦労されていました。また、それらの苦労をご自身の技術不足を原因にして納得されていることがあります。
何度もこのブログで申し上げていますが、ピートを用いた根域改良は、先ずはピートの目利きになって欲しいと願います。土質も重要ですが、どの栽培ステージでどんな効果を出したいかでも選択肢が発生します。またヤシやバーク、もみ殻、堆肥による場合も、その正確な知識がとても重要です。

一方、弊社製品のデメリットは? と聞くと99%の方が「重い」と回答されます。
重さの原因は、弊社の100年超のノウハウで結論づけた「約55%の水分」を保っているからです。
弊社は、ピートの水分率をデータ的にも技術的にも、植物に持続的に高性能な物理性を提供するための”条件”としている以上、これらを北米産のように軽量化することはありません。企業利益優先なら物流など多くの面で軽量化にメリットがあります。採掘都合を言えば、ピートを乾かした方が採取効率が格段に上がります。
しかし、弊社はそのポリシーを持っていません。何のために存在する企業なのかを貫きます。メーカーとしてあえて非効率な仕事を選ぶことで、その先のユーザーが最大効果を得るならば、それに迷いはありません。
そして、この重さ(水分率が高い)は、作業上でも功を奏すことがあります。
・袋のまま畑に持ち込め、開封後は加水せず直ぐに使用できる。
・袋の胴まわりをカッターで切るだけ(刃先1㎝程で結構)で、切目に指を掛ければ、崩れることなくきれいに真っ二つに割れる。⇒もれなく半分の重量に!
・塊は踵を蹴る程度で、物理性を壊さず簡単に解れる。
・作土から水分を奪うことがない。(作土の方が低水分率の場合が多い)
・ポット育苗などへの転用がし易い。
200Lで約40㎏、100Lで約20㎏。
ピートの”重さ”は、ユーザー皆様と栽培植物に対する責任の重さなのです。










2016年4月1日金曜日

100Lパッケージ

クラスマンの100Lパッケージを紹介します。
これまで弊社の基本パッケージは200Lとしてきましたが、それに加えて100Lパッケージのオーダーもご注文可能となりました。
同じレシピでのリットル単価では、やはり200Lの方がコストパフォーマンスが高くなりますが、日本の流通事情を考えた時、100Lの小回りの効くハンドリングメリットも考慮致しました。
パッケージの大きさで培地の性能は変わりませんが、作業性・物流性





を含めたトータルメリットのひとつの選択肢として検討頂ければ幸いです。
画像は、ベースサブストレート3コースの100Lサンプルです。
フィルムデザインは、当面は画像の『SeLeCT』のみとなり、レシピ名称をロットナンバーに続く位置にインク印字します。
レシピにより積載量が変わる場合もありますが、おおよそ960袋/40ft.コンテナです。
どうか、ご用命下さい。

2016年3月11日金曜日

忘れない日

弊社はこの日を忘れません。
あれから5年が経ちました。
しかし、まだ非常に多くの地域に痛みと傷みと悼みがあります。
私たちは産業としてだけでない農業のもつ広範な力を信じています。
そして、ピートと弊社のもつノウハウをもって、ひたすら真っ直ぐに、日本の農業と生産者のために進みます。

2016年3月4日金曜日

鈍感力

3月になりました。高い気温の冬が終わりを告げ、日射量の積算も進む季節です。これから土づくりを行い、春の定植を迎える時期。
やはり昨今の天候を鑑みると、いかに『鈍感力』があるかどうかが問われているように思います。
品種、施設、肥料、環境制御。
私たち人間がどんなに対抗手段をとったとしても、自然の力、とりわけ最近の天候変化の波は、それを嘲笑うかのような大きさで呑み込んでしまいます。
そこでは『鈍感力』が、あらためてこれからの時代に必要なのではないかと考えます。
弊社は知っています。

ピート本来の力を現地に合わせて最大限発揮することが鈍感力を高めること。

ご用命下さい。







弊社は現場主義です。


2016年2月11日木曜日

SEV

私たちのまわりは電子により物質として成立しています。
そして、農業は特に(肉眼では)見えない電子により影響を受けています。
一方、生育環境や成長そのものに電子が影響している事を知っていても、人がそれを自由にコントロールする事は至難の技です。
土壌のpH、EC、CECは検査によりデータ化が出来ますし、園芸資材市場にはこれらを補整もしくは増幅すると謳うメーカー側視点の資材が沢山存在し、この春の需要に合わせて活発に営業されています。
しかし、CECなどイオンの数だけで植物が本来の力を発揮する訳ではありません。pHもECも値が適切だとしても、植物が求めるタイミングや環境そのものの緩衝能により、反応は変わります。水の動きも大切です。
弊社はピートのもつ本来のポテンシャルと、裏付けのある確かなノウハウを最大限利用した提案で、生産者の皆さまのメリットを追求していきます。
そして本年度からは、日本で開発と製造がなされ40年あまりの歴史と、世界主要国の特許をもつ『SEV』との協働試験を開始します。
SEVは物質活性化の技術ですが、既に自転車や野球、マラソンなどのプロスポーツ選手やモータースポーツ機器、水質や空間域の改善などで有名です。
まずは国内











園芸トップ産地の高知からスタートします。試験経過は追いかけながら公開します。




2016年2月1日月曜日

花き栽培の土づくり

2016シーズンの夏秋期に向けた花き栽培の土づくりがスタートしています。
弊社は可能な限り現地に入り、一般的な方法による土壌診断データと、現場のリアルな環境の両方を鑑みて、最適なピート培地を選び、導入すべきボリュームとユーザーの経営を考慮した設計を行っています。
しかし、ピートでない方が良いと判断した場合に迷いはありません。弊社はメーカーですが、生産者のために存在している以上、生産者の立場でサービスする事に意義があります。
画像は、そんな弊社を少ない時間で理解して頂き、一緒に遥か先のリザルトを考えながら決めたピート製品を、積極的に導入して頂いたトルコキキョウ生産者の土づくり風景です。
ベット幅に対し-10cm幅、5cm厚で畝列に投入しています。園主の土壌がピートをサンドウィッチする構造を作っています。







ご興味のある方は、お気軽にご用命下さい。

2016年1月21日木曜日

2016

2016年をお慶び申し上げます。
日本の皆様にとり、健康で平和な一年である事、そして困難・災難・災害・病気が  さる  年になると信じています。
さて、新年に入り3週間が経ちました。懸念していた異常気象が続き、農業にとっては生産も販売も大きな影響を受け、決して満足のゆく今日ではないと察します。
そんな中、多方面から土壌改良に関する問い合わせがあり、既に6地域で試験、実証、施行が新たに始まっています。
土づくりは、足腰を作り直して再起奮闘するアスリートそのものの姿です。妥協点はなく、しっかりとした裏付けのある方法でなければなりません。
弊社としては、妥協しないピート製品と103年の歴史と、日本のためのノウハウをもって、皆様の2016年の期待に応えて参ります。
どうぞ、2016年の新しいクラスマンを宜しくお願い致します。